株式会社ニコンシステム|Japan

膨大な放送素材のマイグレーションでコンテンツの品質維持と作業の効率化を両立

業種:
テレビ放送
製品・サービス:
アナログテープ品質検査システム VQ-BB20S

課題

膨大な放送素材のマイグレーション(アナログ素材からXDCAMファイルへの記録)を進めたいが、目視による再生画像のチェックでは時間がかかりすぎる。また、チェックの見落としが発生するため品質の維持が困難である。

  • 「XDCAM」はソニー株式会社の登録商標です。

効果

ノイズ検出の自動化により品質を維持したまま計画の1.5倍の作業の効率化が実現した。

放送素材のマイグレーションで重要な"品質の維持"

テレビ朝日様は、2019年に開局60周年をむかえました。その歴史の中で蓄積された番組、報道、情報やスポーツなどの素材を利活用できる総合ライブラリーを運用され、その貸出本数は、年間35万本に及びます。アーカイブ化するにあたり、放送素材のマイグレーションを進める作業の中で「ノイズ画像の自動検出」を担っているのが、「アナログテープ品質検査システム VQ-BB20S」です。

同社技術局・アーカイブ運用センター長の朱牟田眞吾氏は、"品質の維持"を本製品採用の理由に挙げます。

「昔の映像であっても、放送する、後世に残す素材である以上、常に品質を維持して保存しておく必要があります。さらに、今後はコンテンツビジネスの拡大も期待されているので、マイグレーションは"品質の維持"の機会としても重要です」(朱牟田氏)

従来は、「素材を再生」「人の目でノイズ等の画像の乱れをチェック」「当該箇所のクリーニングや保存のし直し」を重ねて品質を維持してきました。しかし、膨大な「量」に加え、限られた「時間」が大きな課題となっていました。VTRの再生機器のメーカーによるサポートの終了が迫っていたのです。

ノイズの検出結果が一覧表示されるので作業負担が軽減

マイグレーションの作業は、テレビ朝日様の本社、アーカイブ倉庫に併設された作業ルームで行われています。12式のシステムが並び、スタッフ1名が3式のシステムを担当。ノイズ画像が検知されたら、その「当該箇所のアナログ素材テープクリーニングや保存のし直し」を行います。

「VQ-BB20S」による業務の改善点を、責任者の上級マネージャー鈴木仁美氏にうかがいました。

「品質検査システムにより、目視では見落としてしまうノイズ画像も自動で検知され、その場所がログで表示・記録されます。通常、アナログテープをクリーニングすることでノイズを取り除くことができますが、中には経年劣化がひどく、クリーニング作業をしてもノイズが残るものもあります。キレイな画像を残すことに加え、『この素材のここにはノイズが残っています』というデータを付けることで、アーカイブ素材の中身を的確に利用者に伝えることが可能になりました。また、検知されたログを集中的に確認することで、計画時の作業効率を上回る効果が出ました」(鈴木氏)

VQ-BB20Sの導入効果は大きく、想定の1.5倍の作業効率でアーカイブ化を進められました。限られた予算と時間の中で、アーカイブ化の対象素材は過去の使用頻度の多いものに絞り込んでいましたが、その枠を広げることも可能になりました。

言葉では説明しづらいノイズ画像を理解し機能を実現

テレビ朝日様の「画像のノイズを自動で検出したい」というニーズを「VQ-BB20S」で実現するため、ニコンシステムでは、「検出したいノイズ」とは何かを詳しく分析。ノイズ画像の発生原因を調査し、定量的な解析を行うことでノイズ検出するアルゴリズムを開発しました。ノイズ検出を実現するにあたり、テレビ朝日様のご協力のもと、機能の改良・パラメータ調整を行い、最終的にテレビ朝日様が満足する検出の精度まで高めることができました。

テレビ朝日様がアーカイブとして残すための"品質"へのこだわりを開発段階から共有することで、運用開始後のマイグレーションにおける効率的な作業環境の実現に寄与することができました。

本製品以外にもニコンシステムでは、さまざまなノイズ画像を検出するシステムを保有しており、映像品質検査のさまざまなシーンで「品質維持」と「作業の効率化」に貢献しています。

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