特徴・強み
国際規格を網羅したエラーチェック機能
本製品では、即座にエラー内容と、その発生個所を特定できます。
これまでのように、膨大な量の規格書の内容を読み解き、エラーの原因を個別に調査・究明する必要はありません。
データ構造を理解しやすいグラフィカルな表示
これまで開発してきた解析ツール(MPEG-2、MPEG-4、H.264)の実績に基づき、より使いやすい表示を目指しました。
データ構造を細部まで確認・解析するための多彩な機能は、どれも直感的に操作できます。差分画像表示や統計情報表示機能によりエンコーダーの性能分析も可能です。
画面のレイアウトや表示色の変更も可能で、用途や好みに合わせてご利用いただけます。
機能一覧を見る
ファイル構造の表示
画面表示
デコード画像、予測画像、DF前画像、SAO前画像、任意のYUVファイルの画像を表示します。表示倍率を変更しながら、画像の解析をすることができます。
- ※ DF:デブロッキング・フィルタ SAO:サンプル・アダプティブ・オフセット
NAL構造表示
NAL構造をツリー形式で表示します。RBSPの種別ごとに異なるアイコン表示をします。ツリーアイテムを選択することで、シンタックス値を表示します。
ピクチャ構造表示
ピクチャの構造をデコード順及びプレゼンテーション順で表示します。ピクチャを構成するスライス、スライスが参照するパラメータセットをツリー構造で表示します。ツリーアイテムを選択することで、シンタックス値を表示します。
ユニット分割表示
Unit分割表示
CTU/CU/PU/TUのユニットの分割状態を、画像に重ねて表示します。表示するユニットの種別指定、ユニット種別ごとの色指定もできます。
Slice分割表示
スライスの分割状態を、画像に重ねて表示します。ピクチャツリーからスライスを選択することで、対応するスライスのみを表示します。
Tile分割表示
タイルの分割状態を、画像に重ねて表示します。
CU・PU・TU表示
CU表示
CUの分割状態を、ピクチャに重ねて表示します。CUサイズ別(64×64、32×32、16×16、8×8)に表示の有無と表示色を選択できます。CUを選択することで、CUに含まれるシンタックス値・パラメータ値を表示します。
PU表示
PUの分割状態を、ピクチャに重ねて表示します。PUのモード別に表示の有無と表示色を選択できます。
モードは、イントラPUの場合 2N×2N、N×N、PCM、インターPUの場合 2N×2N、N×N、2N×N、N×2N、2N×nD、nL×2N、nR×2N、SKIPの選択ができます。PUを選択することで、PUに含まれるシンタックス値・パラメータ値を表示します。
TU表示
TUの分割状態を、ピクチャに重ねて表示します。TUサイズ別(32×32、16×16、8×8、4×4)に表示の有無と表示色を選択できます。TUを選択することで、TUに含まれるシンタックス値・パラメータ値を表示します。
QP、動きベクトル表示
QP(量子化パラメータ値表示)
量子化パラメータの値を、ピクチャに重ねて表示します。値の大きさの違いをセルの濃淡で表示します。
動きベクトル
動きベクトルを矢印で示し、ピクチャに重ねて表示します。小さなベクトル値を強調表示するため、矢印を表示する長さの倍率を調整することができます。
動きベクトル詳細表示
指定したPUの動きベクトルの詳細を表示します。参照元の予測ブロック・参照先の予測ブロックを、ブロック近傍のピクチャに重ねて拡大表示します。参照インデックス・動きベクトル値も同時に表示します。
差分画像表示
画像表示
表示可能なピクチャ(デコード画像、予測画像、DF前画像、SAO前画像、任意のYUVファイル)の中から、同時に2種類のピクチャを表示できます。
- ※ DF:デブロッキング・フィルタ SAO:サンプル・アダプティブ・オフセット
Diff画像表示
選択した2種類の画像の差分画像を表示します。差分を強調表示するために、差分の倍率を調整することができます。また、色成分ごとのPSNR値を表示します。たとえば、デコード画像と予測画像を同時に表示した場合、差分は残差画像となります
Diff画像詳細
ユニット(CTU/CU/PU/TU)で選択した領域の画素値を行列表示します。
統計情報
解析したデータの統計情報をグラフで表示します。
NAL Size
NALのサイズをグラフ表示します。縦軸をNALサイズ、横軸をNALの通し番号とした、棒グラフです。
PictureSize
ピクチャのサイズ(スライス・レイヤーRBSPの合計)をグラフ表示します。縦軸をピクチャサイズ、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、棒グラフです。
CodedBits
ピクチャ内の符号量の内訳(PU,TU,Other)を表示します。縦軸をピクチャサイズ、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、積み上げ棒グラフです。
QP
ピクチャの色成分ごとの量子化パラメータ値を表示します。色成分ごとの、量子化パラメータ値の最大値、最小値、平均値、PPS指定の初期値をそれぞれ折れ線で表現します。縦軸を量子化パラメータ値、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、折れ線グラフです
CU Size
ピクチャを構成するCU(Coding Unit)のサイズごとのユニット数を表示します。縦軸をユニット数、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、積み上げ棒グラフです。
PU Size
ピクチャを構成するPU(Prediction Unit)のサイズごとのユニット数を表示します。縦軸をユニット数、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、積み上げ棒グラフです。
TU Size
ピクチャを構成するTU(Transform Unit)のサイズごとのユニット数を表示します。縦軸をユニット数、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、積み上げ棒グラフです。
Part Mode
PUの分割モードごとにユニット数を表示します。縦軸をユニット数、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、積み上げ棒グラフです。
Pred Mode
予測モード(Intra/Inter/Skip)ごとのユニット数を表示します。縦軸をユニット数、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、積み上げ棒グラフです。
Intra Pred
イントラ予測モード(Planar/DC/Angular)ごとのユニット数を表示します。縦軸をユニット数、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、積み上げ棒グラフです。
SAO Type
SAOのタイプごとにユニット数を表示します。縦軸をユニット数、横軸をデコード順のピクチャの通し番号とした、積み上げ棒グラフです。
エラー表示、バッファ解析、マージモード表示
エラー表示
HEVC規格に違反するシンタックス値・変数値を検出した場合、エラーとしてリスト表示します。NALエラー(NAL構造解析中のエラー)、ピクチャエラー(ピクチャ解析中のエラー)、CPBエラー(バッファ解析中のエラー)、システムエラー(システムストリーム読み込み中のエラー)の4種類のエラーを検出します。記録されたエラーを選択すると、そのエラーが発生したツリーあるいはユニットをハイライト表示します。
バッファ解析
CPB(符号化ピクチャバッファ)の占有率を解析し、グラフ表示します。規格に反するCPB動作があった場合、エラーとして検出します。縦軸をCPB占有ビット数、横軸を時刻とした折れ線グラフです。解析結果は、CSV形式でファイル出力できます。
マージモード表示
マージされた領域を同じ色で表現し、ピクチャに重ねて表示します。マージされたPUを選択することで、マージ元のPUとその位置情報(A0,A1,B0,B1,B2,Col,Zero)を表示します。矢印表示は、マージの基準となるPUの動きベクトルです。
システムストリーム解析
TSストリーム
MPEG-2 TSに格納されたHEVCストリームを解析できます。TSの構造(PAT,PMT,PES)の情報をツリー形式で簡易表示します。
MP4ストリーム
MP4に格納されたHEVCストリームを解析できます。MP4のbox構造の情報をツリー形式で簡易表示します。
その他、透過・色カスタムなど
透過表示
ユニットの表示色変更
作業効率化と技術者の育成
本製品を使用することで、デバッグ作業の効率化と省力化が図れます。
従来、ページ数の多い規格書の理解には膨大な労力・時間が必要な上、関連書籍も少ないため、動画解析の細部まで理解している技術者は希少でした。本製品を使えば、規格書と照らし合わせながらデータ構造をビジュアル的にわかりやすく確認できるため、情報の少ない中で学ぶ手助けとなり、技術者の育成にも貢献します。