- A.T:
- 半導体の生産に欠かせない半導体露光装置は精巧な技術が結集した装置です。装置は一つひとつの処理単位となるユニットが複数あり、数えきれないほどの部品で構成されています。三階建ての建物に匹敵するサイズの装置で、ナノメートルの電子回路の露光を行なっているんです。
- S.I:
- 半導体露光装置では、数ナノメートルの電子回路を基盤に高速で焼き付けています。そのため、超高速な制御を実現するためのソフトを開発し、各ユニットの協調動作を実現させています。
- A.T:
- 私はこの装置の中でも、シリコンウェハと呼ばれる基盤に電子回路を焼き付けるメカを制御する通信を担う、中間的な位置にあるユニットのシステム開発が担当です。例えば、「ウェハ上に、このサイズのチップを焼き付けたい」という指示があった場合に「どこにウェハとレチクルを動かせばよいか」「レーザー照射のタイミングはいつか」など、関係する制御ユニットに指示し、ユニットが同期して制御できるようにしています。
- N.M:
- 私の担当は、装置を目標となる動作の精度に合わせこむための調整用ソフトの開発です。半導体露光装置は究極の精密機器なので、機器を組み込むときの微細な位置ずれや温度の違いなどのちょっとした環境の変化で精度が変わってしまいます。お客様先に装置を納入した際、何もしない状態だと製品を作れるだけの動作の精度がありませんが、調整用ソフトを使うことで製品を作るために期待された精度で動作するようになるのです。
- K.O:
- 工場内の半導体露光装置の稼働状況を分析するためのツール開発が、私の担当領域です。これは、世界中で稼働する装置の状態を24時間365日確認できるツールです。発生したエラー情報やシリコンウェハの焼き付け状況、ユニットの稼働状況など、装置が動くとたくさんのログが出力されます。このログを、ユーザーが解析・分析できるようにするためのアプリケーションを作成しています。
- S.I:
- 私は、ユーザーの指示を受け、その指示をユニットソフトに送る、メインソフトの開発に携わっています。現在は、露光の前処理としてシリコンウェハへの回路の焼き付け状態を精密に計測するための装置の開発を行っています。回路の焼き付けは何重にも行うことで集積度を高めるのですが、ここから得られる計測結果をもとに、露光装置での焼き付けの重ね合わせ精度を向上させることができるのです。数ナノメートルレベルの重ね合わせ精度が要求されるため、高速かつ高精度な計測が必要ですが、その実現が難しさでもあり、やりがいを感じるところでもありますね。